むかし好いていた人を思い出してしまうこと
ほんとうにたまに、寝ている時に起こるんですが
むかし、人並みに人を好きになっていた時代に
好いていた人のことを思い出すことがあります。
今となってはとても貴重なものに思える時間や情景が
強く心に迫ってくるのです。
これは何なんでしょうね。
また、記憶であるためでしょうか、
ずいぶんその人を美化している自分がいます。
やはり巷で言われているように、
僕も名前をつけて保存するタイプなのかもしれません。
困るんだよなー。
どうしても自分の心からもぎとることができなかったのは
ーーー自分は永久に女を失ってしまったという、ほとんど絶望に達するほどの哀惜感であった。
愛を失ったという哀惜の念を、自分の胸からもぎ取ることもできなければ、彼女とともに過ごした幸福のおりおりを、記憶の中から拭い去ることもできなかった。
その幸福は、当時あまりありがたいとも思わなかったのに、今ではその魅力を残りなくくりひろげて、いたるところ彼につきまとうのであった。
(レフ・トルストイ、米川正夫訳、アンナ・カレーニナ、頁310)
[ad#co-1]

ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません