電車で2時間もすれば僕は福島市に行ける
今、もし僕が福島市に住んでいて子供がいたら気が気じゃないだろうなと思う。
僕が住んでいるのは仙台市。
福島市から100キロも離れていない。
仕事場から帰るときはいつも「福島行き」の電車に乗る。
そのたびに何か奥歯に異物がさし挟まったような違和感に襲われる。
この違いはなんだろうと。
空間線量だけで言えば仙台市はそれほどパニックになる地域ではない。
でも、ここから電車で2時間もかからないで到着する街はどうだろうか。
計測すれば、毎時1マイクロシーベルト(年間8.76ミリシーベルト)を越える場所が多勢を占めるようなところなのだ。
この事実がなんとも言えないのだ。
学生をやらせてもらっていた時、知り合いに福島出身の人が二人いた。
一人は山登りのサークルで一緒で、同じ東北出身ということでなんとなく勝手に親近感も沸いていた。
彼は卒業後、ラーメンを作りたくて福島のラーメンチェーンに就職したことを聞いていた。
もう一人は同じ寮に住んでいて、寮内にある温泉で顔を合わせたりしていた。
寡黙な人だったが、たまに声を交わせば、どこか芯のある人なのだなと窺わせた。
今、なんとなく彼らのことを思う。
日本中にある原発とその近くで暮らす人々のことを思う。
2ヶ月前まで原発に無関心だった自分の至らなさを思う。
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