「闇の中に光を見出す」を読んで~貧困の背景~②悪いのは自分だから
さて前回の記事では貧困に陥る背景として「社会保障が弱い」ということを取り上げました。
二つ目の背景として「自己責任論の強化」が挙げられていました。
湯浅さんはその象徴的なこととして二つ取り上げています。
スポーツ界の原理が現実世界でも適用され始めていく
90年代中ごろからスポーツ報道が増加し始め、人々の価値観に影響し始めたようです。
「強い者が勝ち、弱い者が負ける」「弱い者が負けたのは弱いゆえに負けたのであって、言い訳は通用しない。結果がすべてだ」というメッセージが社会全体に浸透し、~~中略~~ 経済的な自由競争の導入とセットで持ち上げられていったのではないか。
2004年イラク人質事件での自己責任論
この事件で3人の行動が「自己責任だから~」ということで片付けられます。
これが社会全体に「人生は自己責任なんだよ」と言うメッセージとして間接的に影響を及ぼしたと言います。
以前、NHKの番組で「助けてと言えない30代」というようなものがありました。
30代で餓死してしまった男性の状況を取り上げていたのですが
男性は貧困状態にある時も「悪いのは自分だから」という心持だったように思います。
確かに人生に責任はある程度あるとは思うのですが、過度に自己責任的な考えが社会を覆ってしまうとなんだか生きにくいなぁと思っています。
闇の中に光を見いだす―貧困・自殺の現場から (岩波ブックレット NO. 780)
ad pc
関連記事
-
春を通り越して6月になっていた
春が終わっていた。慌ただしいような時間だった。 もう6月で、これか …
-
就活で失敗すると自殺してしまう4つの理由
今日のヤフーのニュース記事でこんなものがあった。 就活失敗し自殺する若者急増…4 …
-
中国で女の子が轢かれたのに誰も助けなかった件
中国で女の子が車に轢かれたのに通行人の18人が誰も助けなかった。 僕は映像を実際 …
-
目標を立てても、それを達成する気力が衰退している
以前よりも踏ん張りが効かなくなった。 …
-
3畳部屋に籠(こ)もる
僕のアパート部屋の間取りは2Kで、それは2つの部屋と台所部屋と風呂 …
-
「うつヌケ」というマンガを読んだら、うつは頑張ることができる人がなりやすいのかなと思った。
Contents1 うつになった著名人が治っていくエピソード2 うつになった著名 …
-
自分の居心地のいい世界で過ごして、時々すこし違ったことをする
自分の居心地のいい世界で過ごして、時々すこし違ったことをする &n …
-
「闇の中に光を見出す」を読んで~貧困になる背景~①社会保障の穴
闇の中に光を見出す(清水 康之 , 湯浅 誠 ) を読んでみました。 日本の社会 …
-
東洋辺境島のエリート界隈の出来事ではあるけれど、全島に浸透している病だからこそ気にかかる
東大を卒業して広告代理店に勤務していた可愛い女性が、入社して2年も経たないう …
-
電車で2時間もすれば僕は福島市に行ける
今、もし僕が福島市に住んでいて子供がいたら気が気じゃないだろうなと思う。 僕が住 …